「うさぎ、うさぎ、なに見てはねる
十五夜お月さま 見てはねる」
「うさぎ」という日本の童謡なのですが、
日本らしい歌詞と音階だな、と改めて思ったので、
歌と絡めた話を掘り下げてみようと思います。
うさぎの曲に使われている音は、
琴や三味線といった日本の楽器が多く使う音で構成されていて、
その音階を都節音階「レ、ミ♭(ド♯)、ソ、ラ、シ♭(ラ♯)」といいます。
黒鍵が入ることで、短調のように聞こえるのが特徴です。
また、歌詞にあるうさぎは、
月の影が餅つきをしているうさぎに見えることに由来している
と考えられます。
あるいは、野生のウサギが最も活発に活動するのが、
明け方と夕方とのことなので、
もしかしたら月の出の時刻が活動時間と重なっていて、
走り回っていたのかもしれません。
日本では月の影をうさぎに見立てていますが、
南ヨーロッパはカニ、アラビアは、ほえるライオン、
南アメリカではワニといったように、
様々な形に捉えられていて、非常に興味深いですよね。
ところで、中秋の名月は必ずしも満月ではない、
ということはご存知でしょうか。
今年は、偶然にも重なりましたが、
次に中秋の名月が満月になるのは、
2030年の9月12日だといわれています。